アブ日記 Diario

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2011年3月17日

無題

もしかしたらほんのクシャミ程度のことなのかもしれない。
それほどに、未曾有という言葉の前に、
抗うには私たちはあまりにも小さすぎて、
守ってきたもの、積み重ねてきたものが容赦なく奪われていくのを
ただ茫然とその事実を見つめることしかできない。

大阪にいる私たちは、
地球からみれば、ほんのわずか震源地から離れていただけに過ぎない。
ただ今この瞬間は、いつもと同じ生活を続けられているだけに過ぎない。

毎朝起きるたびに、
夢でなかったことを確かめてしまう。

私が涙を流して失ったものが少しでも戻るものなら、
いくらでも泣きたい。
そうでないから涙を誘うテレビは見ない。

医療の知識もない、
人を助ける訓練も受けていない、
難しい化学式も分からない、
それでもできることがないのか、
最前線で命がけで戦っている人たちに最大の敬意を払い、
現地からの呼びかけに耳を傾けていたい。
たとえ微力でも必要とされていることを自分なりに見極めて行動したい。

そして、彼らが歩みを止めていないように私も日々の歩みを止めない。

アブルッツォの友人たちから、
安否を気遣い励ますメールをたくさんもらいました。
2年前に大きな地震を経験した彼ら、
彼らが最後に付け加えるメッセージは
驚くほど、皆一緒です。
「siamo con voi,un abbraccio forte.」
(私たちはあなたたちと一緒にいます、強い抱擁を)
そしてこの言葉に毎回慰められる。

人はひとりでは生きていけない、
大切な人、大切なまち、
大切なものを想いながらそのつながりを感じながら、
自分を信じて、仲間を信じて、
先人たちが乗り越えてきた道を信じて、
前に踏み出す力を振り絞るのだと思う。

誤解を避けるため、
またそれを読んで傷つく人がないよう、
普段から
ブログで自分の感情を書くことは避けたいと思っているのですが、
いつものブログを書き続けるために今の気持ちを書きました。
今この瞬間もアップするべきかどうか迷っていますが…

Steng bbone! もっと、イタリア アブルッツォ州